夏の涼
都心では今日で連続6日間の猛暑日になり新記録だそうだ。熱帯夜も12日も続いているらしい。
昨日の8月号に引き続き、9月号用に「夏の涼」と題した僕たちの昭和物語素案をつくってみた。これで2年半かけた昭和コラムも丁度25回目を迎えるので、一旦休止としたい。
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近頃は野外よりも屋内で熱中症になる人が多いと言う。僕たちの若い頃はそんな言葉もなくて、30℃にもなると「日射病になるから家に居なさい」とよく昼寝をさせられた。あの頃祖父母などが「今年は一番暑い」と言ってたのを今ではその通りだと共感する。
よしずを張った縁側で昼寝の際は蚊帳と蚊取線香は欠かせない。家の周りに水たまりが多いのかすぐに蚊が手足顔にまとわりついてくる。蚊帳の中に蚊取り線香を5分も焚けばぽとぽとと面白いほど落ちてくるので、その後は中で煙臭さもなく1時間ほどぐっすりと眠れた。蚊取り線香の生産は岡山県がメジャーで我が家では、鶏の金鳥と西郷隆盛の南洲香を愛用していた。蝿の防除には「ハエ取り紙」が庭に面した部屋に数本ぶらさがっていた。粘着質の物質をリボン状の紙につけて、吊るしておくとこれも面白いようにハエがくっつく。いわゆるゴキブリホイホイの蝿版である。
エアコンは無いので、扇風機、うちわで暑さをしのぎ、風鈴や麦茶で涼を感じた。お風呂上がりに汗取りの天花粉(シッカロール)をあごや首周りにつけて浴衣を羽織って外に出る。おもてに帆布製デッキチェアーや床机を出して、近所の人たちと将棋を指したり、夕涼みをしたり、線香花火を楽しんだ。
その他、夏の涼で思い出すものとして「うちわ」「金魚鉢」「盥と行水」「アイスキャンデーやかき氷」「粉末ジュースやラムネと栓抜き」などなど尽きないが別の機会に続きを書いてみたい。
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