泣きながら生きて
昨夜、フジTVで放送された2時間ドキュメンタリー『泣きながら生きて』を見た。中国の文化大革命の下で青春時代を過ごしたために、教育を受けることができず、農業に刈りだされた(下放政策)中国上海の若者が35歳の頃に大枚42万円(夫婦が15年働かねば得られぬ収入)を親戚じゅうから借り集め、釧路の中国語学校に入校。しかし、仕事も無いため、生活ができず、止む無く学校を中退して東京でレストランの手伝い、清掃人、機械工など早朝から深夜まで働き始めた。4年の就学ビザが切れそうになったが、中国を離れた際の借金を返せないため、そのまま働き続ける。娘が小学校4年生のとき父親は日本に来たが、母親は上海で娘のために、食べる物も医療もとことんまで我慢して蓄えを貯金した。その結果、8年後に娘はニューヨークの大学医学部に合格できた。10年間の取材で現在娘はいよいよ医学博士として中国に凱旋できるようになったが、その15年間を父親の眼、母親の眼、娘の眼からドキュメンタリーとして纏まっている。父親は『国家は国民の為に懸命に考え、実行する。子を社会に通用するように育て、教育するのは、親の役割であり、生き甲斐だ』。母親は『父親が骨身を惜しんで娘の為にお金を貯めているのにはただ感謝だけでは言い表せない』。娘は『父親母親が私にしてくれた努力はとてつもなく偉大なものだ。これからその大恩に報いていくのが私の目標』。ドキュメンタリーでは、娘が親の頑張る姿を見て高校大学と優秀な成績と努力をしている姿も描かれていた。大学に入学する際に、娘が日本に24時間トランジットして成田からニューヨークに向う姿があったが、父親はビザが切れている不法入国者扱いになるため、空港まで送りにいけず、成田駅で別れざるを得ない。空港のチェックでビザ切れが発見されると強制送還になるからだ。3者3様に努力している姿が涙を誘う番組(文化庁 芸術祭参加作品)であった。このドラマを見ていて、10年位も前になるかNHKで山崎豊子原作『大地の子』のドラマを思いだしたが、あれもとても感動した番組だった。
かたや、日本の大学はいまや、「入るのも難しくなく、出るのはもっと簡単」で入学金授業料が半端でなく高いわりにキャンパス4年間は社交場の域を出ていない。この番組だけで判断するのは軽率かもしれないが、日本人は気楽過ぎると強く感じた。自分が頑張らず、すべてを他人や環境や行政の所為にする。最近子供の「いじめ自殺」がマスコミで大々的に報じられているが、「子が苛められていることが親が気がつかないわけがない」「子が苛められていたら、直接その子や親が何らかの行動を起こさなければならない」「いじめがあったから即学校や行政の所為にするのはおかしい」とも感じた。
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