日本辺境論
今日は火曜日。ジムには行ったが、テニスも無いので、終日読書三昧をした。今日読んだ本は『百田尚樹の幻庵上下』『宮岡礼子の曲がった空間の幾何学』『内田樹の日本辺境論』の4冊。幻庵(げんなん)は碁の世界を描いたもので昨夜から読み続けていた大作。dachs飼主の碁力はちょっとばかりしか齧った程度なので、プロ思考の表現が多くあったのだが本当のところはよくわからなかった。しかし、百田氏はよく調査して心理表現力も秀逸である。碁好きな人は是非とも読んで欲しい書籍だ。非ユークリッド幾何学の初歩本は読んだけれど難し過ぎてよくわからなかった。最後に読んだ内田樹(うちだたつる)さんの日本人論は面白いところが多かった。ほかの国と違って、日本(人)は独自の精神・思想を持たず、ほかの国をふらふらきょろきょろしながら頼るべき国(今は米国)に寄り添ってゆく特異な国(辺境国辺境民)であるというテーマで、数々の推論や証拠を幅広い範囲で述べている。今日のミサイル通過についても周りの国々の動きにばかり目を配り、自分の考えを持っていないようにみえる。唯一の核被爆国でありながら、核の廃絶運動については、核を落とされた国に気を遣いすぎ時刻に対する愛さえ失っているように見える。
『自尊心はあるけれど、その反面、ある種の文化的劣等感がつねにつきまとっている』という言葉には共感できた。「加計」「北朝鮮」「東芝」「中国」など最近の各種問題で忖度を旨とする我が国の歴史の一端が垣間見えた。この日本辺境論も読んで欲しい本だ。
最近、内田樹が「僕は天皇主義者に変わったのです」との発言に辺見庸は強烈に批判してます。内田樹は「相容れない立憲主義デモクラシーと天皇制が並立している世の中のほうが単一原理で統一されている政体より暮らしやすい」これに辺見庸はかみついている。私は昔から天皇制を認める勤皇左翼を標榜していたので内田樹側にいます。
内田さんはもちろん、辺見さんもくんちゃんに講演会の話を聞いて読んでみたくらいで、現代の評論家は殆ど知りませんでした。昔は安倍次郎や高橋和己、亀井勝一郎、西田幾太郎、小林秀雄などをよく読んでいました。