坐禅の作法

 2日間の坐禅合宿において、私たちは4回の坐禅で得た坐禅作法について印象に残ったことをここに整理しておきたいと思います。

三進退

 坐禅の座り方には、椅子に坐る椅子坐禅と座蒲に坐る坐禅3パターンの合計4種類あります。座蒲に坐る場合、足の組み方で右の足を左のももに深くのせ、左の足を右のももの上にのせる「結跏趺坐」と、左の足のみを右のももにのせる「半跏趺坐」、及び正座で坐る「日本坐」です。
 坐禅の要は、「三事を調える」ことから始めます。これを『三進退』といいます。三事とは『「調身」−身体を調える』『「調息」−息を調える』『「調心」−心を調える』です。三進退により精神を統一することで、心と体のバランスが整い、気が満ちてきます。坐禅作法における三進退とは『合掌』、『叉手』と『法界定印』です。
 まず合掌します。正しい合掌は中指を鼻先位置にあわせて、拳骨ひとつ分を開けて両の手を合わせます。
 次は礼としての低頭です。低頭では合掌したまま、斜め45度くらいに頭を前方にさげます。
 次は叉手です。叉手とは、左手の親指を内側に入れて胸元に持ってきます。その上に右手を被せます。具体的には右手の小指から人差し指までの4指を左手の拳に添えます。
 最後の法界定印は、右手が下で、左手を上にして卵形に組んでいただきます。置く場所は脚の付け根あたりです。

木板のたたき方

木板または板木と呼びます 坐禅の最初の合図は、木板をタンタンタンとだんだん間隔を短くして15回程度たたきます。
 木板に対して、合掌低頭したあと、左手で「ささえ紐」を持ち、右手で撥を持ちます。  これから打ち出しますよという最初の合図は「中」「中」「小」「大」の強さで等間隔に叩きます。但し坐禅の最初の合図は、木板をタンタンタンとだんだん間隔を短くして15回程度たたきます。
 次に最初(1詠目)は7回等間隔で叩いたあと、タンタンタンとだんだん間隔を短くして15回程度たたきます。最後は大の音でしめます。
 次(2詠目)に、5回等間隔でで叩いたあと、タンタンタンとだんだん間隔を短くして15回程度たたきます。最後は小・大の音でしめます。
 最後(3詠目)は、3回等間隔で叩いたあと、タンタンタンとだんだん間隔を短くして15回程度たたきます。最後は中・小・大の音でしめます。

座り方

 曹洞宗の坐禅は、坐禅堂内で壁に向かって座ります。
 坐る位置にきたら、合掌低頭した後、廻れ右にしてもう一度合掌低頭します。さらに廻れ右をして、眼の前にある座蒲の白いラベルを壁方向に時計廻りに180度回転します。そのまま、座蒲に坐り座蒲と一緒に180度回転します。(椅子坐禅の場合は、時計周りに廻って座席に座ります。)

結跏趺坐

 お釈迦様が悟りを開かれたときの姿ともいわれています。
 座蒲の上に腰をおろし、軽くあぐらを組み、両足の裏が上を向くように太ももの上に交互に引き上げます。膝が床から離れないようにすると安定した姿勢が保てます。

半跏趺坐

 どちらか一方の足だけを組む座り方です。片足を腿の上に置き、もう一方の足は座蒲につけます。

日本坐

 座蒲に坐って正座する。座蒲は横向きに立てて坐っても許されます。

椅子坐禅

 椅子に座って座禅します。座り方は浅めに坐って、膝はできるだけ前にだすのが良い。腰と両膝の3点で支えると安定します。

坐禅中の姿勢

 左右に体を揺らして息を整えます。振り子が徐々に停まるように体を安定させます。
 次に手のひらを太ももの上に起き天井方向に向け、ユックリ3度鼻から息を吸い、息をはきます。はくとき、最初の2回は口から、それ以降は鼻から呼吸できるようにしましょう。
 その後、法界定印を組んで坐禅に入ります。

 鐘が3つ鳴ると、坐禅始まりの合図です。

坐禅終了

 鐘が1つまたは2つ鳴ると、坐禅終了の合図です。
 合掌した後低頭し、振り子が揺れるように左右揺身をしながら、体を楽にします。この時点で、足は崩して構いません。
 時計回りに180度座蒲とともに回転します。その場で立って、回れ右をします。前にある座蒲を揉みながら元の形に整えてください。白いラベルは手前に戻してください。合掌低頭して、廻れ右をします。そこでもう一度合掌低頭します。

坐禅のことば

 道元禅師の説かれた「只管打坐」は、何かを求めて坐禅をするのではなく、私たちの衣食住と同じく、生活のひとつとして坐ることをすすめています。
 「調身」は身体を調える 「調息」は息を調える 「調心」は心を調える です。
 姿勢を整え、呼吸を整えて坐るとやがて心が落ち着き、静かに調ってきます。
 坐禅でよくきく言葉を整理してみました。(この項、曹洞宗宗務庁発行「禅の友」平成二十三年十一月号より一部転載)

法界定印(ほっかいじょういん)
 左手の手のひらを右の手のひらの上にのせ、親指の指先を軽くあわせ輪を作ったら下腹部の前におきます。

左右揺振(さゆうようしん)
 足と手を組んだら上半身をゆっくりと左右に動かして姿勢を落ち着かせます。
 最初は大きく、だんだん揺れを小さくしていくと身体が落ち着く位置が見つかります。
 その位置で動きを止めます。

半眼(はんがん)
 坐禅の最中は、一メートルほど先、四十五度くらいのところに視線を落とします。  目を瞑ると集中できそうに思いますが、かえっていろいろな雑念が浮かんでくるので、目を開けて視線を落とすようにしましょう。

臍下丹田(せいかたんでん)
 坐禅の最中は「臍下丹田」というおへその下、十センチの下腹部に意識を集中させて深く呼吸します。
 「丹田呼吸」は近年ストレス軽減の「セロトニン神経」を活性化させる呼吸法として注目されています。

欠気一息(かんきいっそく) 坐相をまっすぐに正しく落ちつかせたら、口からゆっくり、大きく息を吐きます。
 この深呼吸を数回行なったら、口を閉じ唇を引き締めて、舌は上あごの歯の付け根につけ、口の中に空気がこもらないようにします。
 以降の呼吸は、鼻から吸って鼻から吐き出します。

叉手(さしゅ) 立っている時、歩く時の手の作法です。左手を、親指を内にして握り、手の甲を外に向け、胸に軽く当てて右手のひらでこれを覆います。

揖手(いっしゅ) 左右の肘を身より離してまず左の手の親指を中にして他の4本の指でこれを握って拳をつくり、腕の前で伏せておき、右の掌を以て軽くこれを上から覆います。最近の径行では、叉手でなく、手の甲を90度あげた この揖手でする傾向にある。

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