下肢の神経痛

下肢の神経痛は脊椎の椎間板狭窄症によって派生的に発生する坐骨神経痛らしい。以下、資料検索で腰椎神経痛みなどについて考察する。
 経過は腰痛経過に書いた。

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坐骨神経痛について

 「坐骨神経痛」は、病名ではなく下肢にあらわれる症状の総称で、おしりから下肢にかけて痛みやしびれが続く状態を言う。
 坐骨神経痛とは、腰から足にかけて伸びている「坐骨神経」がさまざまな原因によって圧迫・刺激されることであらわれる、痛みやしびれるような痛みなどの症状のことを指します。 多くの場合、腰痛に引き続いて発症し、次にお尻や太ももの後ろ、すね、足先などに痛みやしびれるような痛みがあらわれる。

筋肉痛
運動などによって、筋肉が疲労したり、炎症を起こしたりして痛みが生じる
神経痛
神経が圧迫されて痛みが生じる
体の片側に痛みやしびれが出るのが大きな特徴

坐骨神経

 坐骨神経は、坐骨を通りおしりの筋肉“梨状筋”(りじょうきん)を抜け足へ向かう末梢神経のひとつ。太さはボールペンくらいで長さは1m程度で足に向かって腓骨神経(ひこつしんけい)と脛骨神経(けいこつしんけい)に向かって腰椎から足指にまで伸びている。
 末梢神経は脳と脊髄からなる中枢神経と体の各部を結び、体を自由に動かしたり、温度を感じたりする“伝導路”で、運動神経、知覚神経、自律神経の3つの神経から構成されている。下肢が自由に動かせたり、バランスよく歩く事が出来るのは、末梢神経である「坐骨神経」がしっかり働いてくれるおかげである。

神経
中枢神経(脳と脊髄)
末梢神経(運動神経、知覚神経、自律神経からなる混合神経)

背骨と脊髄神経の関係

 背骨は医学的には脊柱と言い、脊椎には骨(椎骨)が24個(頸椎7個、胸椎12個、腰椎5個)とその下には仙骨と尾骨が続いている。人体の骨はおよそ206個あり、そのうち屋台骨の背骨の骨は33個しかないので、大事に使いたい。
 椎骨と椎骨の間には椎間板という軟骨組織があり、椎骨を連結するとともに、椎骨に懸かる衝撃を吸収するクッションの役割を果たしている。
 1個の椎骨は椎体(腹側)と堆弓(背中側の突起)からなり、その間の空洞が脊柱管である。脊柱管の中には、脳から繋がる脊髄がが通っているが腰椎の上部で終わっており、そこから先(下方)は神経の束がほぐれて馬尾になる。馬尾には腰神経、仙骨神経、鼻骨神経があり、これらが坐骨神経痛の憎い発信源になっているのだ。背骨(脊柱)は脊髄と馬尾を守っている鎧のようなものだ。
 坐骨神経は、お尻から太ももの後ろ側を通り、膝のあたりで、脛方向にいく(総腓骨神経)とふくらはぎ方向(脛骨神経)にいく2方向に大きく分かれる。dachs飼主の左脚下腿痛は総腓骨神経が悪さをされているものと推察する。
 坐骨神経痛は、馬尾や神経根が圧迫されることで生ずる。馬尾が圧迫されると両足に痛みを感じるがdachs飼主の場合は左足だけなので、神経根の圧迫による障害だと思う。

坐骨神経痛の症状

 しびれは、「ビリビリ」「ピリピリ」「チクチク」「ジンジン」と痛みは「ズキズキ」など人によっては様々。痛みの場所は坐骨神経が通っている、おしりから下肢にかけて起こり、片肢に症状が出る場合がほとんど。

痛みの特徴

 体を後ろに反らせると脊柱管がさらに狭くなり神経などを圧迫するため、

高いところのものを取る動作
腰をひねる動作
背筋を伸ばす動作
で痛みが出たり、痛みが強くなるのが特徴。逆に、前かがみになると脊柱管が広がるため、楽になりがちだ。

坐骨神経痛の原因

 年齢が若い場合は、腰椎椎間板ヘルニアが多く、高齢になると、腰部脊柱管狭窄が増えてくるので、dachs飼主の場合は腰部脊柱管狭窄症の可能性が高い。

腰椎椎間板ヘルニア

 背骨(脊椎)は、「椎体」という骨と、その間でクッションの役割をする「椎間板(ついかんばん)」が交互に積み重なっている。
 椎間板の中にはゼリー状の「髄核(ずいかく)」という部分があり、椎間板ヘルニアでは、何らかの理由でこの髄核が押し出され、脊柱管の中を通っている神経が圧迫されることで痛みやしびれるような痛みが起こる。
 この状態が腰のあたりの背骨で生じたのが「腰椎椎間板ヘルニア」で、下半身に痛みが発生する。
 また、腰椎椎間板ヘルニアによる症状の場合、前にかがむと痛みが増し、つま先立ちやかかと立ちするのが苦しいそうだ

腰部脊柱管狭窄症

 「背骨(脊椎とも言う)は、身体を支える役割とともに、脳から背骨に沿って延びてきた神経(脊髄)を守る役割も担う。この神経が走っている背骨の隙間のことを「脊柱管」という。
 腰部脊柱管狭窄(ようぶ せきちゅうかん きょうさく)とは、文字通り、腰のあたりにある脊柱管が狭くなって神経が圧迫された状態のことで、50代を超えた中高年に多く見られる。
 脊柱管が老化などが原因で狭くなり、神経根や馬尾と呼ばれる部分が圧迫され、下半身に痛みやしびれるような痛み、麻痺や間欠跛行(かんけつ はこう)と呼ばれる痛みによる歩行障害を伴うこともある。肛門や外陰部のしびれ感、排尿障害、性機能の障害が派生することもあるそうだ。dachs飼主は痛みしびれのみでほかは大丈夫。

神経根
脊髄が分かれて身体の各部分に行く神経の根っこの部分
馬尾
脊髄の末端の枝分かれした神経の束。馬のしっぽに似ている

原因毎の症状の特徴

腰椎椎間板ヘルニア(前屈型の坐骨神経痛)
前屈みになった際、坐骨神経に沿った痛みやしびれが生じる
腰部脊柱管狭窄症(後屈型の坐骨神経痛)
身体を伸ばした際や歩行時に、症状が出現し、前かがみになると楽になる
長時間歩行すると痛みやしびれが生じ、しばらく休むと落ち着く「間欠性跛行」は狭窄症の特徴的な症状

後屈型の坐骨神経痛を改善するストレッチ

骨盤後傾体操

 骨盤を後傾させることを重視した体操で、痛みを感じた時に行えば症状を素早く軽減させることができる。骨盤が後傾すると同時に腰椎(背骨の腰の部分)後部の椎間関節が広がり、黄色靭帯のたるみが緩んで脊柱管の狭窄が緩和される。

ねこのポーズ

 反り腰の原因となる腹直筋を鍛える。同時に腰椎後部の椎間関節を拡げる効果、腹横筋などの体幹深層筋(体の深いところにある筋肉)を鍛える効果も期待できる

胸椎反らし

 胸椎(背骨の旨の部分)を動かす訓練。本来後屈障害型には上体を反らす動きは良くないのですが、腰椎ではなく胸椎を動かして上体を反る体の使い方を身に付ければ、体の柔軟性を保ちながら腰椎を守ることができる。上を向く際は腰椎を反らさず胸椎を反らせるようにしよう

前もも伸ばし

 太もも前面にある大腿四頭筋が固くなっていると股関節が伸びず、骨盤を後傾できないので、ストレッチを柔軟にする体操

腓骨神経障害とは

 下肢の絞扼性抹消神経障害(神経が締め付けられて起こる病気)の中で最も多いのが、総腓骨神経が締め付けられて起こる「腓骨神経障害」です。総腓骨神経は膝から下の脛の外側・足の甲・足指の感覚と、足指・足首の運動機能を担う神経。症状は神経に沿って現れ、総腓骨神経が通る脛の外側から足の甲、足指にかけてのしびれ・痛みとなる。
 総腓骨神経は、腓骨骨頭の周辺で皮膚の下の浅いところを通過することから、外部からの圧迫の影響を受けやすい神経です。そのため、脚を組んだり、きついストッキングをはいたりすることで圧迫され、腓骨神経障害を起こすことがある。

腓骨神経障害を改善するストレッチ

 長腓骨筋と筋膜の緊張をほぐしたり、ヒラメ筋と筋膜の緊張をほぐし、神経への締め付けを和らげる。

長腓骨筋のストレッチ 5回を1日2セット
椅子に腰かけ、左足首を右腿の上に載せ、右手で足首を掴む。左手で膝を軽く抑える
右手でゆっくりと足を手前に引く。長腓骨筋が気持ちよく伸びているのを感じながら、5秒キープ。
ゆっくりともとの姿勢に戻る
ヒラメ筋のストレッチ 1日2〜3回行う
左足を後ろに大きく引く
前足の膝に両手を載せてゆっくりと重心を前に移動させ、膝裏を10〜20秒伸ばす