市民団体「印西ウエットランドガイド」と市が発行している「歩いて調べた いんざい里山マップ」を見ると、湧水が多くありました。
里山とは集落に近い山裾で、農業や果樹園芸など、多様な土地利用が行われている地域一帯を指します。北総台地から染み出す自然水を利用し、畦畔(耕地間の境)や水路を作り、稲作や畑で利用するためには、適度な里人の手入れが必要であり、そこが手付かずの原生山林とは違います。
雨や雪などで地面に染み込んだ水が、地形などの影響で、斜面と平野が接する小さな谷(谷津)から地表に吹き出てきたものが湧水です。湧水の用途は主に灌漑(水利)用ですが、同時に水辺に生きる動植物が生息しやすい環境も作っています。
印西には、同マップ記載の主要12地区に里山が点在しており、天然の湧水も27カ所ありました。他に湧水としては、月影の井(浦部)、一本松湧水(瀬戸)などもあり、湧水群としては物木落(本埜)や草深弁天湧水が有名です。近くの里地里山を散策しながら、小動物や草花が育つ、貴重な生息地である水辺を観察してみてください。
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