ぼくなつ 洗濯掃除

2012年1月初稿

 昨夜はツレアイに洗濯の仕方を教わった。結婚して約35年、自宅で洗濯した記憶は思い出せないくらい遠い。洗濯機に乾燥機が付いているのは知っていたが、其の他の機能は全く知らない。電源を入れ洗濯物を洗濯槽に入れると自動的に重量を測ってくれ、それに適した洗剤量が表示されるので、洗剤を専用容器に落とし込み、洗濯蓋を閉めると、水が自動的に出てきて、洗濯を始めてくれる。乾燥機を使わなければ、40、50分で脱水までしてくれる。便利になったものだ。
 洗剤も昔は固形石鹸しかなかった。確か、ミヨシというメーカーの巨大な固形石鹸だった。木製の盥を土間や庭に持ち出して井戸から何杯も水を汲んで、半分ほど満たす。洗濯板という木製大根おろしのような表面に荒いうぎざぎざをつけたまな板の上で硬い石鹸を丁寧に塗りたくってゴシゴシと揉み洗いをかぁちゃんが中腰でしていた。冬は寒く冷たい外気の中で、厚手の衣類を洗ってくれるかぁちゃんをありがたいと思い、感謝した。
 その後10年以上経ってから、我が家に洗濯機が入った。回転式で大きな音がして、洗濯・すすぎの終わる度に、水道の栓を開けたり閉めたり、水量も含め気を配らなくてはいけない。現在と比べて格段に遅れていたが、我が家にとって素晴らしい文明の利器であった。特に、洗濯物を絞る際、ハンドルを回しながら洗濯ものを絞るのは簡単な知恵だが手が冷たく力のいる水仕事から主婦を解放してくれた。ハンドルを回すのは中学生のdachs飼主にとっても楽しい手伝い仕事。あまり無理して厚手の洗濯ものや下着を2枚一緒にローラーに入れると動かなくなったりしていろいろとノウハウがいる洗濯機でした。それに比べると、現代の洗濯テクノロジーには吃驚仰天する。

 それに比べると、掃除はそれほど進歩していない。子供のころは掃除機もなく、座敷ぼうきで畳部屋を掃き、床部屋は雑巾で拭き掃除をする。たまに手伝わされるが、冬場の吹き掃除は手が悴んで冷たい。しもやけがひどくなったり、かゆかったり、と良い思いではまったく無い。掃除機も買った当座は面白がって手伝うのが楽しかったが、単機能なので直ぐに飽きる。おまけに排出孔からでる空気がなんともいえず嫌な匂いがするので、dachs飼主は大嫌いだ。掃除に関連するものは、やはり地道に丁寧にコツコツと作業するのが一番良いようで、歯ブラシも何十年来、基本テクノロジー面では進歩がみられない。

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