ヘルニア闘病日誌
ラミエルが2008年真夏に突如、後足が立たなくなった。どうしようかと悲嘆にくれました。
ヘルニア日誌(2008/7/6〜8/31)
- 2008/07/06(日)
- 昨夜からラミエルの動きがおかしかったのだが、今朝散歩に出そうと抱き上げると痛がる。ダッコしていつもの公園まで連れ出したが、動きがぎこちなく、立てなくなってしまった。
10時過ぎから観察していたが、ダッコの仕方によってはとても痛がり、それが少しづつひどくなるのがわかる。行きつけのペットクリニック、今日は休み。それでも電話をかけてみたら、今からDRが研究会に出るところだった。無理を言って相談したら、直ぐきてくださいと言われ、10時半に来院。応急処置だけをしてもらい、今夜研究会から帰ってきてから、ゆっくり検査と治療をしてもらえることになった。その間はナースが点滴や経過を観察してくれることになっている。
ダックス系の犬は若い時から椎間板ヘルニアになりやすいと言われており、原因としては、先天的に軟骨の形成異常になりやすいことや、若いころから椎間板が固いという。 軽度の場合は、ステロイド剤や抗炎症薬などを点滴で1日半程度与えると症状がやわらぐらしい。重度の場合は手術をして問題の部分(神経を圧迫している部分の椎間板)を取り除く必要があります。その場合、たとえ手術が成功しても、普通に運動ができるようになるまでにはかなりの時間を必要とします。椎間板の手術の成功率は低いとのことで、なんとか、手術でなく、薬で治して貰いたい。今夜遅くにならないと経過や検査結果ははっきりしないので、とても気にかかる。
今病院から戻ってきた(23:00)。
ラミは点滴を打ってる状態でケージの中で就寝中。夢うつつの状態で遠くから寝姿を魅せてもらっただけ。近くに行くと興奮し、手足が悪い方向に向くと症状がひどくなるので行けない。
ドクターの話に拠ると、手術をするなら48時間以内にしないと成功率が低いとのこと。詳細はわからぬが、明日は千葉市蘇我にある動物健診センターでMRIを撮って貰い、その結果により手術が必須なのか、内科的療法で治癒できるのかを判断してもらう。 リスクの高い、また後遺症の発生も覚悟しなければならない高度な手術だが、本日も遅くまで検討いただいたカカリツケのドクターに敬意と信頼をかけ、よほどのことが無い限り、明日はこのドクターにかけようと思う。明日はDachs飼主も会社でやらねばならぬ約束事があるが、ラミエルの為に明日は休もうと思っている。 - 2008/07/07(月)
- 朝9時過ぎにカカリツケの病院から電話あり、『蘇我の検査施設』は今日都合が悪いそうで、錦糸町の検査施設に午後4時に行くことに決定した。ラミエルの様子を聞いて見ると、容態は良くなっているようには見えず、手術は必須のようだ。
これから、午後1時過ぎに病院に行き、レントゲン写真や資料と一緒にケージでラミを錦糸町に連れてゆく予定、だが何をしても落ち着かない。
13:30に病院に行って、ケージにラミエルを入れて、錦糸町に向かう。点滴と昨日朝から食べ物や飲み物を与えられて無い所為か、私たちが迎えに行ってもワンという元気も無いようだ。哀れに思う。
16:00に予約を入れているのだが、午後3時に検査施設に到着。予定より早く15:30過ぎからMRI検査して貰うことになった。これから全身麻酔をかけ、1時間弱で造影剤をいれて、撮影が始まる。麻酔が切れるまでそれからさらに2時間がかかるので、錦糸町のコーヒーショップで時間を使った。
18:30過ぎに検査技師から説明があった。L−2骨が椎間板を圧迫し、髄液の通りを悪くしているとのこと。特に左側圧迫がひどいので左脚は全く立てない状況、右も持ち上げようとする意思はあるのだが困難な状況とのこと。 20:30にカカリツケのドクターにMRI写真を持参し、今から(21:00)手術をしてもらうことに決めた。手術はいずれにしてもしたほうが好いとの話。しないですむ状態なら良いのだが、立てない状態なら48時間以内に行わないと、手術もできなくなるらしい。
今、うちに帰ってきた。午後1時に出てから午後9時まで8時間も医院や検査施設を駆け巡った。ウリもヨソに預けようと考えたが、ラミと一緒ならOKだが一人で8時間も預けるのはうちで留守番をさせるより酷だろうという判断になり、家でひとりで留守番をさせた。家で手術が終わるのを家族全員で待機している。成功を100%信じて・・・・
いま、連絡があった。(22:50) 9時から麻酔をかけ手術をし、いま終えた。骨の切削は無事旨く行ったが神経の麻痺があるかどうかはこの後でしかわからない。家族の面会は多分5日以上後になってからのほうがよい。異常に興奮すると背骨に悪影響があるそうだ。顔を見てやりたいが、しばらくは我慢するしかない。いずれにしても手術が大きなトラブル無く終わったのはなによりのこと。
明日は心機一転、会社に元気に行きたい。 - 2008/07/08(火)
- 昨夜の手術の結果は『特に問題も無く終わった』と電話で聞いていたが、とても気に懸けながら、昨日休んだため出来なかった資料を1時間でもはやく完成させたいので、いつもより1時間もはやく出勤した。
ヘルニアの起きている場所を同定して、そこの脊椎を削り、圧迫を起こしている飛び出した椎間板物質を取り出し、神経の圧迫を解除するために、椎弓という脊髄を覆っている脊椎の骨を削ります次の手順にて行われる。
(具体的な施術)
@脊髄にアプローチするために、脊椎の突起から背筋を分離していきます。
A脊椎が露出されたら、高速電動ドリルで脊椎の骨を削っていきます。
熱で脊髄にダメージを与えないよう、生理食塩水で冷ましながら削ります。
B脊椎に穴を開けたら、飛び出している椎間板物質を除去します。
写真がラミエルが切除した椎間板物質です。
夕方ツレアイより携帯に嬉しいメール。午後3時過ぎにドクターより電話あり。『日曜日朝よりドッグフード含め食べ物も水も与えなかったが、先程餌を与えたら元気に食べてくれた。いつも食べている餌といつも使い慣れているタオルをついでの時に持ってきておいて欲しい。』と言われたので、飛んで行った。『ラミとも対面できた。背中には10センチほどの手術痕のラインがあるが、神経や脊髄・髄液など中枢部には現在のところ、何も問題なく順調』とのこと。日・月曜日には後ろ脚の痛覚も麻痺していたが、痛みの感覚も戻ってきている。MRI検査+造影剤の領収書
術後の様子も良かったのでホッとした。週末にでも様子をm見に行きたいがそれまでは我慢して、しっかり仕事をする。昨日のMRI検査とヘルニアの手術だけで40万円を超えるとドクターにも言われている。 その後も水槽での後脚のリハビリやいろいろやってあげないといけないことが今後もでてくる。いろいろなことにチャレンジしつつ、1日も早い快復と元通りの身体能力を取り戻して欲しい。 - 2008/07/09(水)
- 医学のこともdachs飼主は得意でないので、ペットの椎間板ヘルニアについていろいろ調べてみた。基本が解っているわけでないので、曲解もあると思うが、以下のような病気だそうだ。
- 椎間板
- 背骨の各骨は椎骨という骨であり、その骨と骨をつなぐのが椎間板と呼ばれるものだ。昔キリンの首の骨が7個だと教わったことがある。
- 椎間板ヘルニア
- 背骨の中心には脊髄や神経細胞が入っている。椎間板が固くなったり、曲がったり突出して髄液の流れを閉ざしたり、神経細胞を刺激したりすると、神経が麻痺したり、過剰反応したりする。症状的には背骨に触れると痛がったり、麻痺すると立てなくなったり、痛覚を感じなくなる。
- ラミエルの場合
- 背骨の下(尻尾部分)から2個目の左椎骨と3個目の左椎骨を接なぐ椎間板(L23)が脊髄に入り込んで(突出して)いた。ダックス系は胴が長く、背骨に異常が起こりやすいそうだ。
- MRI
- 脊髄周りに椎間板が突出している状況はレントゲンでは詳しく解らず、脊髄に造影剤を注入し、全身麻酔で周りから輪切り状態で撮影する高度な技術である。また、このMRI写真がないと、手術も手探り状態で難しくなる。MRI機器は動物病院にはなく、大学病院か、検査撮影専門ペットセンターに連れて行かないと受けられない。検査料はおおむね、8万円前後。
- ヘルニア手術
- これも全身麻酔をして、背中から切開し、L2椎骨とL3椎骨を取り外し、その間の椎間板の突出部分を削り、脊髄神経に影響を与えなくする。ラミエルは7/7の七夕の日に全身麻酔を2回も行なったことになる。背中に10センチ程度の手術痕が残っていたそうだ。手術料はおおむね、30万円程度。
- 手術後
- 水槽など負荷の少ない環境で後脚を動かす練習や飼い主の地道な愛情や訓練でリハビリが必要。だいたい1ヶ月位で歩けるようになるが、長いときは1年くらいを覚悟しなければならない。ラミエルは7歳なので丁度「犬生途半ば」である。1週間で退院、2週間で抜糸が標準。
- 予防法
- だいたい突然に発症するが普段の予防法も大事である。散歩などで嫌がっている時にリードを強くひいたりしてはいけない。また、無理な姿勢を強いたり、階段の上り下りは低くても犬にはきついので、させないほうが良い。
- 発見法
- 基本的に立てなくなるなど目に見える症状の前に椎間板ヘルニアの予兆として「背中を撫でると、急に痛がる、怒る」などの反応があった時には疑って見るほうが良い。ドクターに見てもらうほうが安心です。
- 2008/07/10(木)
- dachs飼主はラミエルの病気やその後の経過について、特に心と体の異常は無かったが、ツレアイは発症日の日曜日は終日頭痛で頭が重いと繰り返し、検査と手術の日は頭痛は回復したそうだが、半ば下痢気味でストレスや心労が深かったようだ。
dachs飼主も日曜の夕食前に仏壇にお茶とご飯を備える時、蝋燭と線香だけでなく、リンを鳴らした後、いつもよりながく手を合わせ「ラミエルが大きなトラブルになりませんように」と拝礼した。まさに「苦しい時の仏頼み」である。
検査の日は七夕だったので、錦糸町にある伊勢丹デパートの1階で「ラミが元気になりますように」と赤い短冊に黒字で願いをかけて、笹の枝に吊るし、星に願いをかけた。誰かが我が家のラミエルを助けていただいたと心から感謝している。 - 2008/07/12(土)
- 月曜日の手術前にあったキリで気にかかっていた。
今日は土曜日、ペットクリニックの開院時刻9時前にウリエルを連れて会いに行く。背中は見事に剃りこまれ、手術の痕が痛々しい。顔には笑顔こそないが、意外に元気だった。後ろ足も支えてあげるとなんとか立てるが普段は座ってじっとしているそうだ。餌はいつもと同じように食べている。
家のにおいの付いたタオルとあと1週間分の餌を預けてラミの里心が付かないうちに早々と退散した。尻尾もふれるし、リハビリをきちんと続ければ元通りになる可能性が高いとDrの言。リハビリも無理をすると危険だということもあり、抜歯できる7/21頃までクリニックに預けることにした。 - 2008/07/20(日)
- 昨夜、ペットクリニックにラミエルの様子を訊くために電話してみた。直接行ってしまうと里ごころが付くと思ったので、電話にした。
Drに拠ると左足の麻痺はまだ快復していないが2,3歩なら歩ける状態。今後のリハビリで快復してゆくと思われる、とのこと。少し気になったが、明日夕方、ツレアイとウリエルが関西から夕方戻ってくるので、帰って来次第、ラミエルを迎えに行って、一時退院手続をする予定。 - 2008/07/22(火)
- 昨日、夕方ペットクリニックに家族で伺い、無事ラミエルを貰い受けた。7/6(日)検査、7/7(月)の夜手術以来約半月間の入院生活となる。
背中の痕が大変な手術を連想させ痛々しいが、その背中にもうっすらと産毛が生えてきている。
先週17日には2,3歩自立歩行できるようになったという話を聞いてたが、家に戻ってみていると、嬉しいことにゆっくりなら20歩程度は歩けるようになっている。ただ、中腰の姿勢でいることは難しく、用便の際少し不自由をしているようだ。既に抜糸は手術10日後の先週無事に終了済。入院中は無理を言わず大人しく、餌もきちんと食べ、他の犬とも馴れてよく遊び、猫にも少なからず興味を示していたそうだ。
2週間の入院生活は彼女ラミエルの見識を広めたようだ。15日間の入院生活含め、総額40万円弱の費用がかかったが、彼女にとっても家族にとっても良い経験だった。入院の疲れからか、餌を食べる時にも少し元気が無い。多分もう少しすれば慣れると思うが・・・・
Drの話しに依ると、- 〇今日から1週間朝夕2回の薬、その後1週間の朝1回の薬を飲むだけの生活で特に問題なければ通院は必要無い。
- 〇後ろ脚のヘルニアについては手術で根本的に改善したので今後再発の可能性はない。ただ、それ以外の前部首近辺にはヘルニア可能性は無いとは言えないが「急な階段を上り下りさせる」「飛び上がる・飛び降りる」など背骨に過激なショックを与えないように気をつけていれば防げるそうだ。
- 〇今回は痛みの前兆や訴えもなく神経麻痺に進み、手術しか方策が無かった。
- 〇痛みの段階では飲み薬などで内科的治療が効果的な場合も多いので、痛みなどの訴えの前兆あれば直ぐに病院に相談して欲しい。
- 2008/07/26(土)
- ゆっくりした休日だった。退院以来何度も少しの触れあいはあったが、長い時間一緒に過ごせなかった。今日はラミウリと朝から散歩や屋内で終日お付き合いし、遊んだ。途中ジムへ2時間ほど行ってきたが、それ以外はラミの様子をゆっくり見られた。
だいぶ我が家に慣れてきたとは言え、まだまだ今までのラミエルの元気さは取り戻せていない。イジケテル訳では無いのだが、後足がまだ自在にならないのでだいぶ行動をコントロールしているように思える。食欲の方もウリよりはあるのだが、いままでのガツガツした食い気は見られない。身体の調子は悪い傾向は見えないので、徐々にいままでの彼女に戻ってくれることを信じている。
昨夜ラミエルの夢を見た。はっきり覚えていないが隣のうちが大工さんを入れて改装工事をしている。ラミの歩きが不自由そうなのでその大工さんが何かにつけ、ラミを苛めている。大工さんに文句が言えず、Dachs飼主は我が家から「ラミ、はやくモドっておいで」としか言えていない。そこからは覚えていないのだが、とにかく今日は1日中たっぷり遊ばせて貰った。 - 2008/08/05(火)
- 今日、ツレアイがペットクリニックに行って、リハビリの件で相談をしてきた。
後足で立つことは退院後からできるが、やはり歩みはのろい。自然に任すより、もう少しリハビリを積極的にやったほうが良いか、伺いに行ったそうだ。基本的には自然に任せていてもなんとかなってくるとのこと。現にラミエルも近くの公園に行っても大儀そうにしているのだが、よくオヤツをくれるおじさんやおばさんが来ると、懸命に近づこうと早足になっている。
気になるならちいさなプールを買ってきて、動かす訓練をするのもGoodだと教えてもらった。 - 2008/08/09(土)
- 暑い長い今週が終わり、ゆっくりしたい土曜日。昨夜も長いオリンピック開会式を半ば眠りながら観た。とっても疲れた。
先日買ってくれた犬プールにラミウリを入れた。ウリエルは水に馴れないのか、プールの中では固まっている(写真では平気そうな感じなのだが、多分脚はがくがくと震えているはず)。 ラミエルはやはり母親、餌の方向に向かってプールの中でも怯えず歩いてくれる。ウリエルには水に少しでもなれて欲しいと思い、水しぶきをかけてやるのだが、水にはどうも積極的にはなれていない。残り少ない水の季節だが、根気良くプールに入れてやりたいと思う。ラミエルは水での歩き方も慣れてきており全く問題ない。後足も手術後1ヶ月を経てだいぶしっかりしてきた。抜糸跡も殆ど目だたくなり、毛をそった背中部分も流れと逆さに撫でると指が軽痛いほどに伸びてきた。